心の仕掛け。

数日前の読売朝刊の一面コラムで、作詞家の阿久悠さんが書いた詩を紹介していた。

題名は「春のアタマ」。

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髪を切ったのは春に気づいたから

新しい帽子に

サイズを合わせるために

くりくりにしたのです

急いで駆けて

帽子がポンと脱げるようにと・・・

そんな心の仕掛けです

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2000年代初めに流行した、男性のおしゃれな丸刈りを背景にしているらしい。

サラリーマンにかけて「マルガリーマン」という造語もあったそうだが、ちょうどわたしが日本を離れた年だったせいか記憶にない。

 

この詩がもつ軽やかさ、これは紛れもなく春だと思う。

重いコートを脱ぎ捨て、身軽になって背筋を伸ばし、明るい日差しの下を踊るように駆けていきたくなる心。

春がもたらす軽快な空気感を、どこか茶目っ気のある口ぶりで伝える素敵な詩だなぁと思った。

特に最後の「・・・ そんな心の仕掛けです」がいい。

「心の仕掛け」という言葉がとても好きになってしまった。

 

最近、ふと気づいたら、早い時間に朝日が部屋のなかに入ってくるようになった。

寝室にしている和室の引き戸を開け、居間の床に落ちる光を目にすると、足もとに春がきた、と思わず心が笑ったような気持ちになる。

 

わたしは救いようがないほどの冷え性なので、冬がきらい。

ずっと春が待ち遠しかった。

 

 

ちょっと余談。

グーグル翻訳のこと。

数年前までは、ぎこちない日本語訳だったのに、最近、随分と翻訳精度が上がった気がする。

と、思ってググってみたら、やはり2017年の秋にシステムが変わり、飛躍的に翻訳技術が向上したらしい。

随分こなれた文章を出してくるのでちょっと驚いた。

でも、長い文章が続くとちょっと疲れるのか、はたまた面倒くさくなってくるのか?、雑な翻訳を出してくる(笑。

なんか人間臭くない?ってツッコミを入れたくなる。

まあ冗談はさておき、カガクギジュツは息をしているんだなあ。凄い。

翻訳や通訳も人が要らなくなるのだろう、、それを実感できる出来事だった。

 

ところで、人工知能が手抜きをすることを覚えたら、どうなるのだろう。