独り言つ - ちいさな雛飾り、過疎地の避難訓練、お味噌汁は具沢山。

せめて三日に一度はメモのように日々の何かしらを書き留め(打ち込み)、投稿することを習慣にしたいと思っているのだが、結局、何も記すことなく月が替わり三月になった。

雛祭りも過ぎた。

我が家の雛人形は七段飾りの立派なものではなく、ガラスケースに入った、いわばプチセットといった感じの代物。

それでも男雛に女雛、三人官女、五人囃子、右大臣、左大臣の随臣(ずいじん)二名、仕丁(じちょう)と呼ばれる従者三名の他、桃の花飾りなどもあり、コンパクトながらそれなりに揃っている。

毎年、母がこのミニチュア雛飾りを外の倉庫から出してきては明るい場所に飾ってくれる。

今年は私がガラスケースと雛人形や小物を収めた箱を屋内に運んだ(飾りつけは母)。

これら一式を収める外箱の劣化がかなり進んでいたが、中身は案外綺麗なままである。

飾りつけが済むと懐かしい記憶が蘇ってきた。

子供の時分は二階の押し入れに仕舞われていたので、人形遊びが好きだったわたしは、しょっちゅう箱から出して遊んでいた。

うちのお雛様は段の上から下々を眺めることもなく、年がら年中わたしの相手で心休まることがなかったかもしれない。

さて、先の日曜、10日は避難訓練があった。

当日、母は先約があり不在だったが、80代半ばの隣人に声をかけ、近所の同級生の母親にも声をかけ、当日顔を合わせたご近所さんら数名と避難場所にゆっくりとした足取りで向かった。

話は逸れるが、先日、仙台に行くために東北新幹線に乗った際に見た、車窓の向こうの景色が忘れられない。空は高く、視界の奥にはCGさながらの雄々しい峰々の連なり、そして、広い平地にゆったりと建つ家、道路、、、羨ましいことこの上ない様子に目が釘付けになった。

というのも、わたしの住む地域一帯はとにかく平地がなく、山を削った場所にひしめき合うようにして家々が立ち並ぶ。車道も狭く、車同士は互いに歩道を塞ぎながらすれ違うほどだ。

海沿いのため、大地震がきたら、絶望的な高さの大津波がくると言われており、避難場所はどこも高台にある。

しかし、高台へ続く細い道の脇には延々と崖が続いており、おそらく大津波がくる規模の地震であれば、避難場所に至る道も多かれ少なかれ崖崩れの影響を受けるに違いない。

高齢者が人口の5割に達しようかというほどのエリアだ。

訓練の日も杖をついたり、途中で休みながら坂を上っていくシニアの方々の姿を見かけた。

実際に崖崩れが起こった際、道なき道を避難するのは容易ではないだろう。

たぶん、市内の彼方此方で孤立地帯が発生すると思う。

備蓄が不十分なところも意外とあるらしく、東日本大震災の教訓が活かされていないと思う点は多々ある。

ところが、住民だけを責めるのも酷なのだ。

昨晩、NHKのローカルニュースで取り上げられていた内容によると、防災の備蓄等々は、細分化された地区ごとに管理が任されており、地区によっては高齢化と過疎化で音頭をとれるような人もおらず、また地区の予算もないという状況。

これではなるようにしかならない精神が先行しても致し方ないと思ってしまう。

今回の避難訓練も長い坂を上り切って指定の学校まで行ったら、名前と住所だけ書いて帰ってもいいという内容で、訓練実施の目的がいまいちよく分からなかった。

とりあえず、ご近所さんのなかには帰る人もいたが、わたしたち一行は、防災会の方の案内で、災害時に避難場所となる体育館と校舎の一階の見学に参加させてもらった。

まあ、単に見ただけって感じだけれど。

想定では、避難者が3千人~4千人に上るらしい、、、

内心、ここに入りきらんだろうなあと思いつつ、、他方、ここまで辿り着けないであろう人々のことを考えたりもした。わたしはどっちだろう。

とにかく四方八方が崖なので、どの道が残るのか。

行政側で様々な仮定をたて、それをシェアしてほしいものだが。

そういえば先述のニュースでは、広域の視点でみたこの辺りのお粗末な防災状況の実態を公にしない理由の一つが、観光地であるからというものだった。

個人的には、中途半端でしょぼいイベントをやる予算があるなら、しっかりとした備えや訓練実施にまわし、その様子を公に発信した方が、観光客も安心してこれるというものではないだろうかと思ったりもする。

まあいずれにせよ、わたしはわたしで家の備蓄の継続をすること。

屋内だけではなく、車の中にも水や食料、ちょっとした備品を入れたリュックを常備した。出先で被災したときや、家屋が崩れたときに備えて。

簡易トイレも、もう少し余分に買ってもいいかなと思っている。

きょうは母が句会に行く日なので、留守の間にお味噌汁を作っておいた。

お決まりの具沢山の汁物。

きょうは野菜三種にワカメ、豆腐、油揚げ。

簡単だけれど、それなりにビタミンやミネラル、たんぱく質が摂れるし、作り置きしておくと喜ぶ母である。